円通貨圏の形成という方策は通貨圏を形成する諸国に対して共通の利益がもたらされるという前提がなければその実現は不可能であり、これらの方策は机上の空論でしかない。
また、通貨圏形成の主軸となる日本の政策当局にとっても大きなコストを負うことにもなる。
つまり、日本の政策当局はさまざまな政策課題のなかで通貨圏形成の基軸通貨となる円の価値の安定化ということを最優先させなければならず、対内均衡達成という犠牲にしなければならない。
このような大きな犠牲を払ってまで
日本は国際通貨体制の安定化のために貢献しなければならないだろうか、という疑問が湧いてくるであろう。
だがよく考えてみると、対外取引にきわめて大きく依存しているという経済体質をもっている日
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